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仏壇は宗派によってどんな違いがあるの?宗派別の特徴を知れば仏壇がもっとよくわかる

お仏壇

日本人は大半がお葬式を仏式で行いますが、自分を真に仏教徒だと思っている人はあまりいないのではないでしょうか。したがって、宗派によって仏壇や仏具に違いがあるとご存知なのも、よほど詳しい人に限られるでしょう。

今回は仏壇や仏具の飾り方について宗派による違いを中心に、そもそも「仏壇とは何か」ということも解説していきます。

仏壇の意味とは

仏壇は「何」を祀るもの?

仏壇とは一体何のためにあるのか。さまざまな仏具が並んでいる様子を見ると、何に使うのかわからないものもたくさんあります。それは、仏壇は「お寺をひとつひとつの家庭に置けるようにコンパクトにしたもの」であるからです。仏具の数々も、お寺にあるものばかりなのです。

一般的に仏壇に手を合わせるとき、その対象はご先祖や故人だと思っている方は多いでしょう。しかし、仏壇は本来「仏様(御本尊)」を祀るものです。もし御本尊がない仏壇があったとしたら、そこにいくらご先祖や故人の依代(よりしろ)である位牌を置いて礼拝したとしても、本当は意味がないのです。御本尊の近くに位牌を置くことで、その功徳をいただくことができるからです。

とはいえ、仏壇はご先祖や故人を供養する場所であることに間違いはありません。お祀りし、礼拝し、仏壇に手を合わせること自体が悪いことであるはずはないのですから、知識として「本来の仏壇は、そもそも仏様を祀るもの」と頭の片隅に置いておくだけでもかまわないでしょう。

宗派によって何が異なる?

仏壇の種類や必要な仏具、またその仏具の飾り方・配置の仕方は、宗派によって異なります。もっとも大きな違いでいうと、仏壇の種類のひとつである「金仏壇」を使うかどうか、という点でしょう。

金仏壇は、主に浄土真宗で使われる仏壇です。浄土真宗は数ある仏教の宗派のなかでも異彩を放つ教理で知られており、仏壇の種類からして他の宗派とは違うものを使うのです。

もちろん、金仏壇を他の宗派が使ってはいけないということはなく、近年は他宗派でも金仏壇の魅力に惹かれてそちらを選ぶ人も多くなっています。あくまで一般的には、「金仏壇といえば浄土真宗」というイメージがあるということなのです。

仏具についても、浄土真宗では他宗派とはまるで異なるものを使用します。そもそも浄土真宗では、信仰対象が御本尊の阿弥陀如来だけであるため、仏壇に位牌を置く場所さえないほどです。

その他の宗派に関しては、仏具の細かい種類や何を飾るかという点に差異はあるものの、浄土真宗と他宗派の差ほど大きいものではありません。

まとめると、一般的には「浄土真宗は金仏壇、その他の宗派は金仏壇以外」という点をまず覚えておくとよいでしょう。

仏壇に必要なもの

仏壇に置くものには、必須のものである礼拝仏具(らいはいぶつぐ)と一般仏具があり、一般仏具のなかでも不可欠なものと、あったら便利なものに分けられます。主な仏具を見ていきましょう。

礼拝仏具(必須)

御本尊(ごほんぞん)

各宗派における、信仰対象となる仏様のことです。仏壇の最上段の中心に祀ります。仏像と掛軸のタイプがあり、宗派によって指定がある場合もあります。

御本尊は僧侶によって「魂入れ」という儀式を行うことにより、初めて功徳を得られるものです。

脇仏(わきぶつ)

各宗派の開祖や、大きく影響を与えた僧侶の像や掛軸です。御本尊の左右に控えるよう祀ります。

最上段中心に御本尊、右と左にそれぞれ脇仏を配置するのが、正式な飾り方です。

位牌(いはい)

故人の霊魂が宿るとされる仏具で、戒名や没年月日、俗名などが刻まれています。仏壇の2段目の段に、右から没年月日の古い故人の順に祀ります。

浄土真宗では、基本的に位牌は仏壇に置きません。礼拝の対象が御本尊である阿弥陀如来だけである、という考え方ゆえです。

一般仏具(お参りに使うもの・必須)

三具足(さんぐそく)

「花立(はなたて)」「香炉(こうろ)」「火立(ひたて)」の総称です。それぞれ「お花を供える」「線香を供える」「ろうそくを立てる」仏具で、花立と火立を対で飾る場合にはそれぞれにひとつずつ足し、「五具足(ごぐそく)」になります。

おりん

読経の始まりや終わりに鳴らしたり、線香をあげて手を合わせる合図として使ったりする仏具です。その音色は邪気を祓い、お参りする人の心を鎮め、供養や祈りを極楽浄土に届けるともいわれます。

宗派による主な仏具の飾り方と宗派の概要

日本の主な仏教の宗派について、概要と御本尊・脇仏、主な仏具の飾り方について見ておきましょう。

天台宗

密教系の宗派であり、総本山は比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ・滋賀県)です。唱名は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」。

御本尊

阿弥陀如来(あみだにょらい)・釈迦如来(しゃかにょらい)

脇仏

向かって右: 天台大師(てんだいだいし)

向かって左: 伝教大師(でんきょうだいし)

仏壇に飾るもの

2段目…位牌  本尊が隠れないように配置します。

3段目…茶湯器(ちゃとうき)と仏飯器(ぶっぱんき)、および高坏(たかつき)

4段目…五具足(ごぐそく)・霊具膳(れいぐぜん)・打敷(うちしき)・おりん

真言宗

密教系の宗派であり、総本山は高野山金剛峰寺(こうやさんこんごうぶじ・和歌山県)です。唱名は「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」

御本尊

大日如来(だいにちにょらい)

脇仏

向かって右: 弘法大師(こうぼうだいし)

向かって左: 興教大師(こうぎょうだいし)または不動明王(ふどうみょうおう)

仏壇に飾るもの

2段目…位牌

3段目…茶湯器と仏飯器・高坏

4段目…五具足・霊具膳・打敷・おりん・木魚(もくぎょ)

浄土宗

総本山は知恩院(ちおんいん・京都府)、唱名は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」

御本尊

阿弥陀如来(あみだにょらい)

脇仏

向かって右: 善導大師(ぜんどうだいし)

向かって左: 法然上人(ほうねんしょうにん)

仏壇に飾るもの

2段目…位牌

3段目…茶湯器と仏飯器・高坏

4段目…五具足・霊具膳・打敷・おりん・木魚(もくぎょ)・伏鉦(ふせがね)

浄土真宗本願寺派

浄土真宗はいくつもの宗派があり、代表的なものに本願寺派と大谷派があります。

本願寺派は、通称「お西」、総本山は西本願寺(京都府)で、仏壇は主に金仏壇(柱も金色)です。唱名は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」。

御本尊

阿弥陀如来絵像(あみだにょらいえぞう)

脇仏

向かって右: 親鸞聖人(しんらんしょうにん)

向かって左: 蓮如上人(れんにょしょうにん)

仏壇に飾るもの

最上段…御本尊と脇仏・上卓(うわじょく)・仏飯器(ぶっぱんき)・供笥(くげ)または華足(けそく)

前卓(まえじょく)または中段…五具足・打敷

最下段…見台(けんだい)と過去帳・おりん・和讃箱(わさんばこ)・御文章箱(ごぶんしょうばこ)

浄土真宗大谷派

通称「お東」、総本山は東本願寺(京都府)で、仏壇は主に金仏壇(柱は黒)です。唱名は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」。

御本尊

阿弥陀如来絵像(あみだにょらいえぞう)

脇仏

向かって右: 十字名号(じゅうじみょうごう)

向かって左: 九字名号(くじみょうごう)

仏壇に飾るもの

最上段…御本尊と脇仏・上卓(うわじょく)・仏飯器(ぶっぱんき)・供笥(くげ)または華足(けそく)

前卓(まえじょく)または中段…五具足・打敷

最下段…見台(けんだい)と過去帳・おりん・和讃箱(わさんばこ)・御文箱(おふみばこ)

曹洞宗

禅宗系の宗派であり、総本山は永平寺(えいへいじ・福井県)・総持寺(そうじじ・神奈川県)です。唱名は「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」。

御本尊

釈迦如来(しゃかにょらい)

脇仏

向かって右: 道元禅師(どうげんぜんじ)

向かって左: 瑩山禅師(けいざんぜんじ)

仏壇に飾るもの

2段目…位牌

3段目…茶湯器と仏飯器・高坏

4段目…五具足・霊具膳・打敷・おりん・木魚(もくぎょ)

臨済宗

禅宗系の宗派です。総本山は各派にあり、唱名は「南無釈迦牟仏(なむしゃかむにぶつ)」。

御本尊

釈迦如来(しゃかにょらい)

脇仏

向かって右: 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)または無相大師(むぞうだいし)

向かって左: 普賢菩薩(ふげんぼさつ)または花園法王(はなぞのほうおう)

仏壇に飾るもの

2段目…位牌

3段目…茶湯器と仏飯器・高坏

4段目…五具足・霊具膳・打敷・おりん・木魚(もくぎょ)

日蓮宗

総本山は身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ・山梨県)、唱名は「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)。

御本尊

曼荼羅(まんだら)

脇仏

向かって右: 鬼子母神(きしぼじん)

向かって左: 大黒天(だいこくてん)

仏壇に飾るもの

2段目…位牌

3段目…茶湯器と仏飯器・高坏

4段目…五具足・過去帳と見台(けんだい)・霊具膳・打敷・おりん・木柾(もくしょう)

まとめ

仏壇だけとっても、仏教の世界は実に奥深いことがわかりますね。基本的な部分は同じでも、宗派によってずいぶんいろいろ異なる点があります。仏壇や仏具の知識を得たことを機に、もっと掘り下げて勉強してみることで、仏壇にただ手を合わせるよりもより深い礼拝ができるのではないでしょうか。

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