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「新盆」と「旧盆」、違いはどこにある?そもそもお盆とは何をする行事なのか

お仏壇

「お盆」は古くから日本で行われてきた先祖供養の行事です。どんなことをするかというのは地域によってさまざまですが、お盆自体の存在は日本人のほとんどが知っているでしょう。

では、新盆・旧盆という言葉を聞いたことはあるでしょうか。新しいお盆?古いお盆もあるの?という疑問がまず浮かぶところですが、実はそもそも「新盆」という言葉自体には全く異なるふたつの意味があります。

まずはそれについて理解し、そして旧盆との対比について知っていきましょう。

実はふたつある!「新盆」の意味

「新盆」には、同じ名称でありながら全く異なるふたつの意味があります。まずはそれらについて明確にしておきましょう。

新盆の意味①「忌明け後初めて迎えるお盆」

ひとつめは、人が亡くなり、四十九日が過ぎた忌明け後に迎える、初めてのお盆を指します。読み方は「しんぼん、あらぼん、にいぼん」のように地域によって異なり、また「初盆(はつぼん、ういぼん)」と呼ぶところもあります。

人が亡くなった時期がお盆の直前であり、四十九日が明けたときにお盆が過ぎていた場合は、翌年のお盆が新盆となる点に注意が必要です。

この意味で使われる新盆は、人が亡くなってから初めて迎えるお盆ということで、普段のお盆よりも盛大な法要を営みます。

新盆の意味②「新暦(新しい暦)でのお盆」

お盆の時期は、実は地域によって7月に迎えるところと8月に迎えるところがあります。

簡単にいうと、7月のお盆が新盆、8月のお盆が旧盆です。新盆の意味ふたつめとは、この「旧盆との対比の呼び方」ということなのです。

今回の記事のテーマである「新盆」は、この②の意味で用いられる新盆の方です。旧盆と対比しながら詳しく見ていきましょう。

なぜお盆の時期はふたつある?

新盆と旧盆の違いは、ほぼ「時期の差」だけです。もちろんお盆の風習の細かい内容は地域によって差がありますが、新盆と旧盆の間には内容自体にほとんど差がありません。

では、なぜ時期だけがずれたのでしょうか。

明治時代の改暦が原因

お盆の時期がふたつある理由にはいくつか説がありますが、もっとも知られているのは「改暦」を原因とする説です。

明治時代まで、日本では月の動きから数えていた暦を使用していましたが、暦の国際基準化を目的に、明治5年に改暦を行って、現在の太陽の動きから数えるグレゴリオ暦を使うことになりました。

これによって、明治5年12月3日が明治6年1月1日に改められ、約1ヶ月のずれが生じることとなりました。

それに伴って、日本の年中行事も約1ヶ月ずつ遅れて迎えられるようになります。お盆も例外ではなく、1ヶ月ずれ込むことで新暦の7月15日(それまでの6月15日前後にあたる日)に行われるようになる・・・はずでしたが、その時期はまさに農繁期まっさかり。農業が盛んな地域では、この時期にお盆の行事に集中することは難しかったのです。そこで、日本のほとんどの地域ではお盆の時期をずらして8月15日としたのです。

新暦の8月15日は、旧暦の7月15日前後。これだと、旧暦の時代に行なっていたお盆の時期と同じに戻ります。だから「旧盆」というのでしょう。

新盆は東京含む一部地域のみ

前述した通り、農業が盛んだった日本では、農繁期にお盆が重なってしまうとありがたくない地域がほとんどでした。そのため、全国の大半の地域では8月にお盆の行事が行われます。旧盆である8月のお盆がスタンダードである、といえるでしょう。

新盆である7月に行事が行われるのは、東京を主としたごく一部の都市だけです。これは農業がほとんど行われず、農繁期が影響しなかった地域ともいえるのかもしれません。

新盆・旧盆の詳しい時期

東京と一部地域のみでの新盆は、毎年7月13~16日、その他の大部分の地域での旧盆は8月13~16日が通例となっています。

旧暦と新暦では、厳密にはきっちり1ヶ月のずれではないため、本来であれば旧盆は毎年微妙に時期がずれるはずですが、基本的にはこの時期でほぼ固定となっています。

お盆はなぜ休暇?

お盆は祝日ではありませんが、全国の多くの企業では「お盆休み」として夏季休暇を設けています。休暇としてのお盆の日程は全国共通で旧盆が採用されていて、8月13~16日を休みとしているところがほとんどです。

なぜ祝日でもないお盆が長期休暇とされることが多いのかというと、その起源は江戸時代の「藪入り」という風習だといわれています。お正月やお盆の前後は当時の奉公人に休日が与えられ、また嫁入り・婿入りしていた人が実家に里帰りする時期でした。そうして家族がそろって先祖供養を行っていたのです。

その名残で、現代でもお盆の期間は長期で休暇となることが多いのです。

そもそもお盆とはどんな行事なのか

お盆は、もともと仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が略された言葉だといわれています。サンスクリットのウランバーナ(逆さ吊りの苦しみ)が語源であるこの言葉は、お釈迦様の弟子である目連尊者が自分の亡くなった母の苦しみを取り除くためにお釈迦様に教えを乞い、7月15日に供養することで母を救ったといわれる伝説が由来となっています。

つまり、逆さ吊りの苦しみにあっている故人を現世から供養し、救うことが盂蘭盆会、つまりお盆の目的であるといえます。

仏教の盂蘭盆会が由来ではありますが、日本各地でももともと、夏には先祖があの世から帰ってきてそれを供養するという風習があったため、盂蘭盆会とその日本独自の風習が融合し、いまのお盆として定着したと考えられています。

お盆には何をするか

お盆の期間は、この世に帰ってくる先祖や故人を迎え、一緒に過ごして供養します。具体的にどんなことをするものなのでしょうか。

仏壇を綺麗にする

お盆の時期を迎える前に、まずは先祖の帰ってくる仏壇をピカピカにしましょう。普段はなかなか行き届かない隅々まで綺麗にして、先祖にも気持ちよく滞在してもらえるようにしておきます。

迎え火と送り火を焚く

迎え火は8月(7月)13日に玄関などで焚くもので、あの世から帰ってきた先祖や故人の霊に迷わずたどり着いてもらうための目印です。送り火は反対に、8月(7月)16日の夕方にあの世へ戻る先祖や故人を見送るために焚くものです。つまりお盆の最初と最後に行う儀式なのです。

ただし、浄土真宗では迎え火や送り火は行いません。故人は亡くなってすぐに浄土で仏になると考えられているため、先祖の霊を迎えるという習慣がないためです。

仏壇を飾り、お供え物をする

綺麗に清めた仏壇には、盆提灯や精霊馬(しょうりょうま)を飾り、果物や生花などをお供えして、帰ってきた先祖を供養します。

精霊馬とは、ナスやキュウリに割りばしやつまようじを刺して作る牛や馬です。キュウリを馬に見立てた乗り物は、先祖があの世からこちらに来るときに乗るもの。馬は足が速いので、一刻も早く帰ってきてほしいという願いが込められています。反対にナスを牛に見立てた乗り物は、先祖がこちらからあの世に戻るときのもの。ゆっくり別れを惜しみながら戻ってほしいという願いが込められています。

お供え物ではありますが、お下がりとして食べるものではなく、塩で清めたうえで16日には処分するのが一般的です。

お墓参りをする

お盆のお墓参りは、13日の午前中に行くのがよいとされていますが、難しければほかの日でも問題はありません。仏壇同様、普段はなかなかできない細部まで綺麗に掃除をして、雑草を抜いたり墓石を拭きあげたりします。掃除が済んだら、お供え物をして家族みんなで手を合わせましょう。

ところで、お盆には先祖や故人は精霊馬に乗って自宅に帰ってくるはずなのに、どうしてお墓参りにも行くのでしょうか?

この理由には諸説あるといわれています。

ひとつには、先祖が自宅に戻ってきている間お墓を守ってくれている仏様に感謝の気持ちを込めてお参りするため、というもの。

またひとつには、人は死ぬと魂は天に、肉体は地上に分離するという中国の思想があり、お墓というのは肉体を守る存在であるとされています。つまりお盆に帰ってくるのは天にのぼった魂で、肉体は依然お墓に残っているため、こちらも供養するためにはお墓参りも必要だ、というもの。

前述したように、日本のお盆は日本古来の風習と仏教の考え方、それに中国の儒教や道教からも影響を受けてさまざまな信仰が混じり合ったものなのです。したがって地域によってさまざまな慣習があり、どれが正解というものはないのです。

大切なのは先祖を供養する想いです。形は多少違えど、それを忘れなければ結婚などで違う風習に触れても、うまくすり合わせていくことができるでしょう。

実はこれも?意外なお盆関連行事

お盆とは関係ないと思っている行事や風習が、実はもともと密接にお盆と結びついている、という事例は多いものです。

花火大会・縁日

夏の一大イベントといえば、花火大会です。行事というより「イベント」色が強くなっているため、なかなかお盆と結びつけられる人は少なくなったのではないでしょうか。

しかし、打ち上げ花火の起源は多くの故人を供養するものだったといわれています。規模の大きな送り火だった、と考えられますね。

故人を送るために盛大な打ち上げ花火とお祭りが開催され、それが現在の花火大会と縁日の起源となっているのです。

盆踊り

その名の通り、お盆の期間に公園などで輪になって踊る催しです。盆踊りは、もともと仏教の念仏踊りというものだったといわれています。踊りながら読経し、仏教を広めるものでしたが、そこに故人を慰める意味合いも融合していったとされています。現在は広い地域で、8月15日に盆踊りが催されています。

七夕

天の川・彦星・織姫が織りなす物語として知られている七夕も、本来はお盆と深いかかわりのあった行事です。七夕は旧暦でも新暦でも7月7日という日程であるため、旧暦ではお盆である7月15日のほぼ1週間前にあたりました。そのため、お盆に向けて身辺を清める時期だったのです。

現在ではほとんどの地域で七夕とお盆の日程には1か月以上の開きがあるため、両者を結びつけて考える人は少なくなりましたが、今でも七夕にお墓参りをする風習が残っている地域もあります。

大文字焼き

山の斜面いっぱいに、たいまつの火などで「大」の文字を描く大文字焼きは、京都の「五山の送り火」がもっとも有名でしょう。その名の通り、故人を見送る盛大な送り火としての役割があるため、お盆最終日の8月16日に行われるのが一般的となっています。

まとめ

日本の文化は、もともと古くから伝わってきた慣習に、仏教や道教、儒教などの考え方が混ざり合った独特のものが多いのですが、お盆はその最たるものといえるかもしれません。当たり前のように毎年行っていたことも、意味や由来を知るとありがたみが増すのではないでしょうか。

新盆と旧盆の違いは、新暦と旧暦の関係を理解しないと少し難しいかもしれませんが、いずれにしても大切なのは先祖を供養する気持ちです。新盆の地域も、旧盆の地域も、それさえあればよい、というのが、さまざまな文化が融合する日本のおおらかなところかもしれません。

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